脂漏性皮膚炎はカビが原因？対処法から治った後の予防法までを解説

脂漏性皮膚炎は、皮脂の多い部位に赤みやかゆみ、フケのような症状を引き起こす慢性的な皮膚疾患です。この疾患は、皮脂の過剰分泌や特定のカビ（マラセチア菌）の増殖が主な原因とされています。特に頭皮、顔、胸部などの皮脂腺が活発な部位に発症しやすく、再発を繰り返すことが特徴です。本記事では、脂漏性皮膚炎の原因や症状、効果的な治療法について詳しく解説します。

私、どうやら「脂漏性皮膚炎」の症状に当てはまってたんですけど、詳しく検索したら原因がカビ？っぽいんですが、よくわかりません。

「マラセチア菌」が原因じゃないの？でもカビとマラセチア菌って違うのかな？

二人とも混乱しているね！でも確かに、「脂漏性皮膚炎」やその周辺の言葉って難しいよね。じゃあ今回は、「脂漏性皮膚炎」の原因の「マラセチア菌」について詳しくみていこう！

脂漏性皮膚炎の原因はカビ？治らないの？

早速ですけど、「脂漏性皮膚炎」の原因ってカビによるものなんですか？

そうなんだ！「脂漏性皮膚炎」の主な原因である「マラセチア菌」は実はカビの一種なんだ。この「マラセチア菌」は、皮膚に常に存在している常在菌で、通常は無害。だけど、この菌は皮脂を「栄養」として過剰に増殖すると、皮膚に炎症を起こすことがあるんだ。

マラセチア菌が炎症の理由になってしまうのは、ホルモンバランスの乱れやビタミン不足などによって皮脂分泌が過剰になると、マラセチア菌の増殖環境が整ってしまうからです。特にストレスや不規則な生活習慣も皮脂分泌を促し、結果的に脂漏性皮膚炎のリスクを高めます。

調べてたら「脂漏性皮膚炎は治らない」って見たけど、本当ですか？

実はそれも真実！「脂漏性皮膚炎」は一度治療しても症状が再発しやすい特性があるんだ。これは、「マラセチア菌」は常に皮膚に存在しているから、完治という概念がないんだ。

脂漏性皮膚炎は、適切なケアと予防策を継続的に行うことで、症状をコントロールすることが大切です。マラセチア菌との上手な付き合い方を知ることが、この皮膚トラブルを管理する鍵となります。

そもそも脂漏性皮膚炎ってどんな症状？

「脂漏性皮膚炎」になると、どんな症状が出てくるんですか？

「脂漏性皮膚炎」は次のような症状が見られるよ。特徴と原因を簡単にまとめた表を作ったよ。

脂漏性皮膚炎は一度治療しても再発しやすい特性があります。

これは、マラセチア菌が完全に排除できるわけではなく、常に皮膚に存在する「常在菌」であるため、環境が整えば再び増殖するからです。

脂漏性皮膚炎は「治療が不可能」なわけではありませんが、適切なケアと予防を継続して行うことで、症状をコントロールするは可能です

「完治」より、「症状をコントロールする」という意識で治療に臨んだほうがいいですね！

その通り！ここからは、それぞれの症状について詳しくみていこう！

皮膚や頭皮が赤くなる

「脂漏性皮膚炎」の症状の一つとして皮膚や頭皮が赤くなることがあるよ。

どうして、皮膚や頭皮が赤くなるんですか？

それは、「脂漏性皮膚炎」は「マラセチア菌」の増加によるものだけど、「マラセチア菌」は皮脂の中にある成分を分解したときに、肌を刺激する物質を作り出すんだ。これが炎症の原因で、皮膚や頭皮が赤くなるんだ。

特に顔の鼻やおでこまわり、頭皮、耳の後ろなど皮脂の分泌が多い部位では、赤みが目立ちやすくなります。

最初はわずかな赤みだけでも、ひどくなると熱感やヒリヒリとした痛みを感じることもあります。

脂漏性皮膚炎による赤みは、肌が弱っているサインでもありますので、気になるときは早めに皮膚科を受診することをおすすめします。

フケが出てくる

「脂漏性皮膚炎」には、最もわかりやすい症状としてフケの発生がある。このフケは、単なる乾燥とは異なり、「マラセチア菌」の増殖によって頭皮環境が悪化し、角質層が通常よりも早く剥がれ落ちることで起きるんだ。

通常の皮膚では、角質細胞は約28日周期で新しく生まれ変わりますが、脂漏性皮膚炎では炎症によってこのサイクルが乱れ、未熟な角質細胞が大量に剥がれ落ちます。これが目に見える「フケ」となって現れるのです。

しかも「脂漏性皮膚炎」のフケは、黄色みを帯びていたり、べたついた感触があったりするんだ。

私も「脂漏性皮膚炎」なのでよくフケがが落ちますが、本当にストレスで困ってます、、、。

第一三共ヘルスケアによると、症状が進んだ場合、フケだけでなく、剥がれ落ちた皮膚や体液の成分が固まって、かさぶたのように患部を覆うこともあります。こうした状態は炎症が強くなっているサインであり、より丁寧なケアや医師の診察が必要になることもあります。見た目だけではなく、肌の状態全体を観察することで、脂漏性皮膚炎の進行度を把握しやすくなります。

脂漏性皮膚炎に効果的な対処法3選

「脂漏性皮膚炎」の症状はよくわかりました。だけどどうしたらいいんでしょうか？治らないって言ってたし、一生このままなのでしょうか？

ヒトミちゃん安心して！実は「脂漏性皮膚炎」は、適切に対処することで大幅に症状を抑えられることがわかってるんだ。そして、その対処法は３つに分けられるよ。

これらの対処法を症状の程度や部位に合わせて適切に組み合わせることで、脂漏性皮膚炎の症状を抑えることが可能です。ただし、自己判断だけでなく、症状が重い場合や長期間改善しない場合は、皮膚科専門医の診察を受けることをお勧めします。

生活習慣を改善する

「脂漏性皮膚炎」の改善には、日々の生活習慣の見直しが非常に重要だよ。特に、食生活の改善として脂肪分の摂取を控えめにし、ビタミンBをしっかり摂取することで、頭皮の菌のバランスを整えることができるんだ。

具体的な改善策としては、バランスの取れた食事を心がけること、特に東小金井うえだ皮ふ科によると、特に野菜や魚、全粒穀物などのビタミンB群を含む食品を摂取することや、十分な睡眠時間を確保すること、そして定期的な運動やリラクゼーション法を取り入れてストレスを管理することが挙げられます。

ビタミンBが豊富な食べ物のって具体的に何があるんですか？

そう来ると思って、具体的な食品は次の表にまとめたよ！

一部引用：【管理栄養士監修】種類別の働きと豊富に含む食べ物まとめ

生活習慣の改善は即効性こそありませんが、長期的には脂漏性皮膚炎の根本的な改善につながる可能性が高いです。また、これらの習慣は皮膚の健康だけでなく、全身の健康維持にも役立つため、一石二鳥の効果が期待できます。日々の小さな習慣の積み重ねが、健康な肌への第一歩となるのです。

頭皮の場合は医薬外部品シャンプーを使う

頭皮の「脂漏性皮膚炎」に一番おすすめな方法は、専用の医薬外部品シャンプーを使うこと！抗真菌成分を配合したシャンプーは、マラセチア菌の増殖を抑制する働きがあるんだ！

専用のシャンプーなんてあるんですね！

これらの薬用シャンプーが効果的な理由は、頭皮という特殊な環境に直接作用できるからです。通常の塗り薬では毛髪があるため頭皮全体に均一に塗布することが難しいですが、シャンプーであれば洗髪の際に頭皮全体に成分を行き渡らせることができます。

薬用シャンプーの選び方として、ミコナゾール硝酸塩やピロクトンオラミンなどの抗真菌成分が含まれているものを選びましょう。抗真菌成分はマラセチア菌の増殖を抑制する効果があります。

医薬外部品シャンプーはただ使うだけじゃなくて、しっかり泡立てて使うことで次のような効果が期待できるよ。

適切な薬用シャンプーの継続使用により、フケや赤み、かゆみなどの不快な症状を効果的に軽減することができます。

ステロイド系の塗り薬を使う

ハマさん、正直かゆみも赤みも我慢できないです。即効性のある方法はないんですか？

即効性が期待できる対策として「ステロイド系の塗り薬」を使用する、というものがある。だけどステロイドは強い薬だから、医師の指示に従って正く使用することが重要だよ。

ステロイド外用薬が効果的な理由は、その強力な抗炎症作用にあります。炎症を引き起こす物質の生成を抑制し、赤みやかゆみ、腫れなどの症状を短期間で和らげることができます。症状が強い場合には医師の判断のもと、適切な強さのステロイド薬が処方されることがあります。

使用する際の注意点として、ステロイド薬は医師の指示にしたがって正しく使用することが非常に重要です。長期間の連続使用や広範囲への塗布は、皮膚の萎縮や毛細血管拡張、さらには耐性（タキフィラキシー）などの副作用を引き起こす可能性があります。特に顔面などの皮膚が薄い部位では、より弱い濃度のものを選ぶ必要があります。

ステロイドを長期間に渡って使用すると、どんな副作用が発生してしまう可能性があるんですか？

「ステロイド外用薬」の副作用は、皮膚が薄くなる、ニキビができやすくなる、などがあるよ。

副作用のリスクを下げるためには、徐々に使用頻度を減らし、生活習慣の改善や保湿ケアなど他の方法と組み合わせて、長期的な管理を目指すことが大切なんだ。

気を付けて！症状は再発するかも！

「脂漏性皮膚炎」の対策がバッチリしれました！ハマさん、ありがとうございました！

ヒトミちゃんちょっと待って！「脂漏性皮膚炎」は、一度症状が改善しても再発する可能性が高いんだ。特に成人の「脂漏性皮膚炎」は再発を繰り返すから、「完全に治る」というより、「症状を抑え続ける」という考え方で対策したほうがいいんだ。

なぜ再発しやすいのでしょうか。それは、脂漏性皮膚炎の原因となるマラセチア菌が私たちの皮膚の常在菌であり、完全に排除することができないためです。治療によって一時的に菌の増殖が抑えられても、皮脂分泌が増えたり、生活環境が変化したりすると、再び症状が現れることがあります。

特に季節の変わり目やストレスが増える時期、生活習慣が乱れる時期などは再発リスクが高まります。例えば、夏場の高温多湿の環境や、年末年始の不規則な生活などが引き金となることがあります。

一生かゆみやフケを我慢しなきゃけいけないんですね、、、はぁ。

ヒトミちゃん大丈夫！「脂漏性皮膚炎」は、症状を抑え続けていけば、症状は限りなくゼロに近づくから！毎日の頭皮ケアを続けて、「脂漏性皮膚炎」とうまく付き合っていこう！

はい！頑張ります！

再発防止のためにできること

でも再発防止って具体的に何をしたらいいんですか？

「脂漏性皮膚炎」の症状が治ったら、再発防止策として次の３つを考えるといいよ。

これらの予防策は、個別に行うよりも総合的に取り入れることで、より効果を発揮します。脂漏性皮膚炎は、症状が長期間にわたって繰り返し現れる慢性的な状態ですが、正しい知識と継続的なケアによって、症状のない快適な状態を長く保つことが可能です。

生活習慣の改善

「脂漏性皮膚炎」の再発防止策で、最も基本的なのが生活習慣の見直しと維持だよ。規則正しい食事、十分な睡眠、適切なストレス管理は予防効果が高いんだ。ビタミンB群も継続して摂取していこう！

生活習慣の改善が脂漏性皮膚炎の再発予防に重要な理由は、生活習慣の乱れが皮脂分泌のバランスを崩し、マラセチア菌の繁殖環境を整えてしまうからです。 特に、高脂肪食の過剰摂取や睡眠不足、慢性的なストレスは皮脂腺を刺激し、脂漏性皮膚炎のリスクを高めると指摘されています。

もう一回、具体的にどうしたらいいか聞きたいです！

オッケーひとみちゃん！まず、食生活では揚げ物や脂っこい食品を控え、代わりに野菜、果物、全粒穀物などビタミンB群が豊富な食品を積極的に摂ること。 十分な水分摂取も大切だよ。

睡眠については、毎日同じ時間に就寝・起床する習慣をつけ、7〜8時間の質の良い睡眠を確保しよう。

そして、定期的な運動や趣味の時間を持つことでストレスを発散しよう

これらの健康的な習慣は、脂漏性皮膚炎の予防だけでなく、全身の健康増進にも繋がる一石二鳥の改善策です。 小さな習慣の積み重ねが、健やかな肌を保つ大きな力となります。

菌の繁殖を抑制するシャンプーを継続して使う

そして「脂漏性皮膚炎」の再発防止策で最も効果的なのが、医薬外部品シャンプーを継続して使うこと！

症状が落ち着いた後も、継続して医薬外部品シャンプーを使い続けることで、「マラセチア菌」の発生を抑制できるからですね！

サヤカちゃん大正解！継続して使うことで、症状を限りなくゼロに近づけることができるんだ。

薬用成分を含むシャンプーが有効な理由は、マラセチア菌の増殖を抑制する効果があるからです。特に、ピロクトンオラミンなどの成分は、菌の細胞膜形成を阻害したり、代謝を妨げたりすることで、過剰な増殖を防ぎます。これらの成分を含むシャンプーを長期的に使用することで、再発リスクを大幅に軽減できます。

紫外線を避ける・気を付ける

「脂漏性皮膚」炎の再発防止策で、意外と見落とされがちなのが紫外線対策！紫外線は頭皮環境を悪化させる要因となり、脂漏性皮膚炎の症状を誘発したり悪化させたりする可能性があるんだ！

なぜ紫外線が脂漏性皮膚炎に影響するのでしょうか。それは、過度の紫外線が皮膚のバリア機能を低下させ、炎症反応を引き起こしやすくする可能性があるからです。また、紫外線によって皮脂分泌が増加することも、マラセチア菌の繁殖を促進する一因となります。

「紫外線対策」として、私は帽子や日傘を使用しています。特に直射日光が強い時間帯（10時から14時頃）は、必ず日よけ対策をするようにしています。

サヤカちゃんナイス！ただし、蒸れも脂漏性皮膚炎の悪化要因だから、通気性の良い素材の帽子を選ぶなど、バランスを考えた対策が大事だよ。

頭皮用の日焼け止めスプレーなども販売されていますが、成分によっては頭皮を刺激する可能性もあるため、脂漏性皮膚炎の症状がある場合は使用前に皮膚科医に相談することをお勧めします。また、屋内でも窓ガラスを通して紫外線（特にUVA）は入ってくるため、長時間窓際で過ごす場合も注意が必要です。適切な紫外線対策は、脂漏性皮膚炎の予防だけでなく、皮膚の老化防止にもつながる一石二鳥の取り組みです。

まとめ

今回、「脂漏性皮膚炎」は、皮膚に常在する「マラセチア菌」が過剰に増殖することで起こる皮膚トラブルで、主に頭皮や顔などの皮脂分泌が多い部位に赤みやフケが生じるものだってわかりました。

対処法としては、生活習慣の改善、頭皮の場合は抗真菌成分を含む医薬部外品シャンプーの活用、ステロイド系塗り薬の使用が効果的、でしたよね！

二人とも大正解！でも「脂漏性皮膚炎」は再発しやすい！だからバランスの良い食事と睡眠の確保、薬用シャンプーの継続使用、紫外線対策などの予防策を日常的に続けることが重要になってくる。「治す」ではなく、「症状を限りなくゼロにする」という意識で向き合っていこう。