サリチル酸とは？効果や副作用から用途まで解説

美容や皮膚ケアに関心のある方なら、一度は「サリチル酸」という成分を目にしたことがあるでしょう。 サリチル酸は医薬品から一般的な化粧品まで幅広く配合されている万能成分です。 特にニキビケアや角質ケア製品によく使われ、古い角質を除去して肌をなめらかにする効果があります。 また、抗菌作用や抗炎症作用も持ち合わせているため、さまざまな肌トラブルに対応できる成分です。 本記事では、このサリチル酸の特徴や効果、使い方について詳しく解説していきます。

最近「サリチル酸」ってよく聞くけど、なんだろう？

よくわかんないけど、ピーリングに使われてるっぽい、、、？

二人とも「サリチル酸」に興味があるんだね！確かに「サリチル酸」って、化粧品から医薬品にまで幅広く使われてて、イメージが難しいよね。じゃあ今回は、「サリチル酸」について詳しく見ていこう！

サリチル酸とは

早速なんですけど、「サリチル酸」ってなんなんですか？

「サリチル酸」は、古い角質を取り除く効果が高い化学成分のことだよ。その効果から皮膚科では外用薬として、美容分野ではニキビケアや角質除去で使われているんだ。特に、肌のターンオーバーを促進させるケミカルピーリングの有効成分として人気があるんだ。

サリチル酸は自然界ではヤナギの樹皮に含まれていることから発見され、現在では合成によって製造されることが一般的です。

サリチル酸の効果

どうして「サリチル酸」は古い角質を除去できるんですか？

実は、「サリチル酸」には細胞間の結合を緩める特性があるんだ。これを皮膚表面と作用させることで、古い角質層だけがスルッと取れて、結果的に皮膚のターンオーバーを促進させることができるんだよ。

また、医師監修のエクセレントメディカルの記事によると、サリチル酸による角質ケアは美白効果やシミ改善にも繋がると報告されています。

「サリチル酸」にはいろんな効果があるから、表にまとめてみたよ。

参考：サリチル酸の効果と副作用 教えて慎太郎先生

これらの効果は、化粧品の成分として活用されるのはもちろんのこと、医療機関における専門的な治療にも応用されています。濃度や使用方法を調整することで、様々な肌トラブルに対応できるという点が、サリチル酸の大きな魅力です。

ハマさん！「サリチル酸」の効果が、漢字ばっかでいまいちピンとこないです！

オッケー！じゃあ「サリチル酸」の効果について、ひとつずつ見ていこう！

角質軟化・剥離作用

「サリチル酸」の最も特徴的な効果は、角質軟化・剥離作用だね。「サリチル酸」の皮膚表面の古い角質細胞を溶解する働きで、肌表面を滑らかにするんだ。

この作用がピーリングに繋がるんですね！

サリチル酸の角質軟化・剥離作用が起こる理由は、サリチル酸がデスモソームと呼ばれる角質細胞同士の接着を担う構造を分解する性質を持つためです。 この角質除去作用によって、肌のターンオーバーが促進され、くすみやニキビ跡の改善に効果を発揮します。

抗菌作用

「サリチル酸」は抗菌作用も持っているんだ。だから、ニキビや肌荒れの原因菌の抑制剤としても使われているよ。「サリチル酸」が、アクネ菌をはじめとするニキビの原因菌を抑制し、炎症を伴うニキビの発生を防ぐんだ。

例えば、ひまわり医院の記事によると、サリチル酸を配合した洗顔料やローションを継続使用することで、ニキビが最大で56.5%したという報告もあります。

ニキビ体質なんですけど、実際にはどれくらい減るんですか？

いい質問だね！じゃあ次の表を見てみよう。サリチル酸配合の代表的な製品と、ニキビの減少率をまとめたものだよ。

参考：ニキビの正しい治し方は？ガイドラインで推奨されているニキビ治療法について解説

すごい！50％以上減ってる！

抗菌作用と角質除去作用の相乗効果で、毛穴の詰まりを防ぎながら細菌感染も予防できるから、「サリチル酸」は特にニキビケアにおすすめんだ！

このように、サリチル酸の抗菌作用は、清潔で健康的な肌を維持するために重要な働きをしています。

抗炎症作用

「サリチル酸」には抗炎症作用もあるんだ。体内で炎症を引き起こす物質であるの生成を抑制することで、炎症を抑えてくれるんだ。

ニキビや敏感肌の炎症を和らげるのに役立ちそうですね！

その通り！「サリチル酸」は敏感肌の人でも使いやすい成分なんだよ。

ただし、高濃度の場合は逆に刺激となる可能性もあるため、ご自身の肌質に合わせた濃度を選ぶことが重要です。

このように、サリチル酸は抗炎症作用によって、穏やかに肌トラブルを沈静化します。

皮脂分泌の抑制

さらに！「サリチル酸」には皮脂分泌まで抑制するんだ！

「サリチル酸」は皮脂腺の活動を穏やかに抑制するから、皮膚表面の余分な油分を減少させるんだ。例えば、Tゾーン（額、鼻、顎）の皮脂分泌が多い人が、サリチル酸配合の化粧水を使用することで、テカリが改善される。

また、皮脂分泌の抑制作用と毛穴の詰まりを解消する効果が組み合わさることで、ニキビの予防にも効果的です。

このように、サリチル酸の皮脂分泌抑制作用は、バランスの取れた健康的な肌環境を維持するのに役立つ重要な機能といえます。

サリチル酸の安全性・副作用

「サリチル酸」ってすごいんですね！毎日使って肌質改善しよっと！

サヤカちゃん！ちょっと待って！「サリチル酸」は確かに便利だけど、いくつかのリスクや副作用もあるから、ちゃんとマイナス面も確認していこう。

「サリチル酸」は、一般的に化粧品に含まれる低濃度（0.5〜2%）のサリチル酸は、多くの人にとって安全に使用できる。だけど、濃度が上がるにつれて副作用のりクスも大きくなるんだ。

次の表にまとめたから見てみよう。

参考：皮膚科医が教えるニキビに対するピーリングの効果ーサリチル酸、グリコール酸を中心に解説ー

表参道スキンクリニックの記事によると、サリチル酸マクロゴールを使用したピーリングは、特に副作用が少なく、安全性が高いと評価されています。

「サリチル酸」の副作用は、基本的に次のようなものがあるよ。

上記の症状に気をつけながら、自身の肌質に合った濃度を選び適切な使用方法を守ることで、サリチル酸を十分に活用することができます。

アレルギー反応

ここからは「サリチル酸」の副作用について、ひとつずつ見ていこう。

まずは「アレルギー反応」について、サリチル酸はアスピリンと同じ系統の成分なんだ。だから、アスピリンにアレルギーのある人は、サリチル酸にも反応する可能性がある。

アスピリン喘息の既往歴がある方や、過去にアスピリンに対してアレルギー症状を示したことがある方は、サリチル酸配合製品を使用する前に必ず医師に相談しましょう。

「サリチル酸」の「アレルギー反応」ってどんな風になるんですか？

「アレルギー反応」について、詳しくは次の表にまとめたよ。

参考：サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール

このようなアレルギーリスクを避けるためには、新しいサリチル酸製品を使用する前にパッチテストを行い、異常がないことを確認しましょう。

食欲不振・吐き気など

「サリチル酸」の副作用には、食欲不振や吐き気などの全身症状が起こる場合がある。主な原因は、サリチル酸が内服薬として使用された場合や、外用剤であっても高濃度の製品が皮膚から吸収された場合に起こるんだ。

通常の美容用途で使用される低濃度のサリチル酸外用剤では、これらの全身症状はほとんど見られません。

「サリチル酸」、ちょっと怖いです、、、。

大丈夫！通常の美容用途で使用される低濃度のサリチル酸外用剤では、これらの全身症状はほぼ見られないんだ。

しかし、例えば広範囲に高濃度のサリチル酸製品を使用した場合や、皮膚のバリア機能が低下している時に使用すると、わずかにサリチル酸が吸収される可能性があります。

吸収された場合の詳しい副作用は次のようになるよ。

参考：アスピリン中毒 – 25. 外傷と中毒 – MSDマニュアル家庭版

これらの症状が現れた場合は使用を中止し、医師に相談してください。このような、サリチル酸の全身症状は比較的まれではありますが、使用方法や濃度に注意することで予防できます。

皮膚の乾燥

サリチル酸使用時に最も見られる副作用は、皮膚の乾燥です。サリチル酸が角質層を除去するため一時的に肌のバリア機能が低下し、乾燥に繋がります。

「サリチル酸」の副作用で最も見られるものは、皮膚の乾燥だよ。サリチル酸が角質層を除去するため一時的に肌のバリア機能が低下して、乾燥につながる。

乾燥すると次のような症状が現れるよ。

参考：乾燥肌の原因やトラブル│ヘパリオ│クリニラボ

表参道スキンクリニックによると、特にサリチル酸ピーリング後は肌が乾燥しやすくなるため、十分な保湿ケアが必要不可欠です。セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分を含む化粧品で十分に保湿し、使用頻度を調整して肌に負担をかけ過ぎないようにしましょう。

良く配合されている商品と用途

「サリチル酸」の働きについては理解できました。でも、実際どんな製品があるかわからないので教えてください！

了解！「サリチル酸」は、角質除去、抗菌、抗炎症などのいろんな効果を持つから、さまざまな製品に利用されているよ。

じゃあまず分類から。「サリチル酸」配合製品は、主に次の３つに分類されるよ。

それぞれの製品は、サリチル酸の濃度や配合される他の成分との組み合わせによって、特定の肌トラブルに特化した効果を発揮します。例えば、同じサリチル酸配合製品でも、頭皮用のものは毛髪への影響を考慮した処方となっており、顔用のものは刺激が少なくなるよう調整されています。

それじゃあ各分類について、ひとつずつ見ていこう！

頭皮の悩みなら医薬部外品のシャンプー

頭皮の悩みに効果的なのが、「サリチル酸」配合の医薬部外品シャンプーなんだ。サリチル酸の角質軟化と溶解作用、そして抗菌作用が、フケや頭皮の炎症といった悩みに直接働きかけることで、頭皮トラブルが改善するよ。

サリチル酸配合シャンプーは、特に頭皮の過剰な角質や皮脂をコントロールし、健康的な頭皮環境を作るのに役立つとされています。医薬部外品として厚生労働省の承認を受けているため、一般的な化粧品よりも効果が期待できる場合があります。

使用方法としては、頭皮に直接塗布し、軽くマッサージした後、十分に泡立てて洗髪することが推奨されます。ただし、頭皮が敏感な方は使用頻度を調整し、頭皮への負担を考慮するようにしましょう。

代表的な製品：KADASON薬用スカルプシャンプー

KADASON薬用スカルプシャンプーは、脂漏性皮膚炎の専門医が監修した医薬部外品です

このシャンプーの最大の特徴は、99%天然由来成分のアミノ酸系で作られており、敏感な頭皮にも優しいことです。 有効成分であるグリチルリチン酸2Kが赤みやかゆみを抑え、サリチル酸が原因菌を殺菌するダブル効果で頭皮環境を整えます。

さらに注目すべきは独自の保湿方法です。 一般的な油系保湿成分はかゆみの原因菌（マラセチア菌）のエサになることがありますが、このシャンプーは「シロキクラゲエキス」という水溶性保湿成分を配合。 重量の約500倍もの保水力で頭皮をうるおいで満たします。

パラベン、鉱物油、合成着色料、合成香料、シリコンは無配合です。 使い方も簡単で、かゆみがひどい場合は2～3分置いてから洗い流すだけで、さらに効果的です。 頭皮環境の改善を本気で目指す方におすすめします。

頭皮のトラブル対策はこれ買っとけば間違いない！

顔・ニキビの悩みならサリチル酸ピーリング剤

顔のトラブルやニキビには、「サリチル酸」配合のピーリング剤がおすすめ！「サリチル酸」は油に溶けるから、皮脂の多い毛穴の奥まで浸透し、詰まりをごっそり溶かしてくれるんだ。

表参道スキンクリニックによると、サリチル酸ピーリングは特にニキビ、毛穴の開き、くすみ、ざらつきなどの顔の悩みに対して高い効果を発揮するとされています。

市販の製品では濃度が1〜2%程度のものが一般的ですが、美容皮膚科では5〜30%の高濃度の施術も行われています。サリチル酸ピーリング施術の流れは以下のようになっています。

このように、サリチル酸ピーリング剤は短時間で皮膚の角質をオフできます。

代表的な製品：HiCAピールケアセラム

HiCAピールケアセラムは、日本人特有の薄くて敏感な角質層を考慮して開発された高機能美容液です。 保湿型AHA（乳酸6%）**をベースに、皮脂ケア成分BHA（サリチル酸）レチノールを配合し、毛穴の黒ずみ、ざらつき、古い角質を優しく取り除きます。 さらに、4種のヒト型セラミド、肌荒れを防ぐCICA成分（ツボクサエキス）、グリチルリチン酸2Kなど、肌を守る整肌成分も贅沢に配合されています。

パラベン、アルコール、グリセリン、鉱物油、合成着色料の5つの成分フリーで、日本人の敏感肌を対象としたパッチテスト済みです。 デリケートな肌にも使いやすい処方となっています。

夜のスキンケアタイムに週3回程度の使用がおすすめです。 洗顔後、一番最初に適量を手に取り、目の周りを避けて顔全体になじませてください。 コットンに適量を含ませて、ざらつきが気になる部分を優しくふき取ることも可能です。 使用後は保湿ケアを念入りに行い、乳液・クリーム・オイルなどで蓋をすることをおすすめします。

乳酸は一般的なグリコール酸より分子量が大きく、日本人の薄い角質層にもマイルドに作用します。 ブースター機能も備え、その後のスキンケアの浸透をサポートします。

毛穴レスなツヤ肌を目指すなら、HiCAピールケアセラムがおすすめです。

まるでお肌の栄養ドリンクですね！

肌が硬くなる・白癬の悩みならサリチル酸ワセリン（軟膏）

皮膚が硬くなる症状や白癬（はくせん）などの真菌感染症には、「サリチル酸ワセリン」がおすすめ。「サリチル酸」の強力な角質軟化作用で、厚くなった角質層を柔らかくして、抗菌作用によって皮膚の真菌に直接作用するんだ。

サリチル酸ワセリンは、魚の目、たこ、イボ、かかとの角質肥厚、水虫などの治療に用いられることが多く、その濃度は症状によって異なりますが、一般的に5～10%程度のものが医療機関で処方されます。

使用方法としては、患部に薄く塗布し、必要に応じて包帯やテープで覆います。 サリチル酸ワセリンは効果が強いため、健康な皮膚への使用は避け、必ず医師の指導に従って使用してください。 

このように、サリチル酸ワセリンは、頑固な角質トラブルや真菌感染症に対する効果的な治療薬となります。

代表的な製品：華陀雪華晶

華陀雪華晶は、サリチル酸5%水虫や体のさまざまな部位に現れるたむしに効果的です。 白癬菌（カビの一種）による足白癬（みずむし）、股部白癬（いんきんたむし）、体部白癬（ぜにたむし）に幅広く使用できます。

サリチル酸には、「角質軟化作用」と「抗真菌作用」の二つの効果があり、白癬菌のエサとなる余分な角質を除去しながら、直接菌も殺菌するダブル効果で皮膚トラブルに効果を発揮します。 特に角質が厚くなった部位に適しており、湿潤したり水疱が破れたりしている場合でも、刺激の少ない軟膏タイプなので安心して使用できます。

白癬菌は人から人へ感染するため、家族への感染予防も大切です。 共用スリッパの使用を避け、バスマットやタオルの共用も控えましょう。

全国の薬局・薬店・ドラッグストアで購入可能です。 水虫やたむしでお悩みの方におすすめです。

低刺激でしっかり効果があるのがいいですね！

まとめ

サリチル酸は皮膚科や美容分野で広く使用される成分で、角質ケアからニキビ治療まで幅広い効果があるんですよね。

角質除去、抗菌、抗炎症、皮脂コントロールなどさまざまな効果があって、製品タイプによって頭皮のフケ対策や顔のニキビケア、かかとの角質ケアなどに、いろいろな用途で使われてる万能成分なんですよね。

二人とも大正解！ただし、副作用もあるから、ちゃんと特性を理解して使おう！