顔に塗っても大丈夫なステロイドはどれ？副作用への対処方法と湿疹に効果がある市販薬の選び方

顔にできた湿疹やかゆみ。ステロイドを使えば早く治りそうだと思っても、

「顔に塗るのはちょっと怖い…」

「副作用は大丈夫かな？」

と心配になりますよね。

顔は特にデリケートな部位だからこそ、ステロイドの使用にはいくつか注意点があります。この記事では、ステロイドの種類や正しい塗り方、副作用、ケア方法まで気になる情報をわかりやすく解説いたします。

ステロイドに関する不安を解消し、安心して顔のケアができるようお手伝いできれば幸いです。

最近、顔のアトピーで病院からステロイド軟膏貰ったけど、これって顔とかに塗っていいのでしょうか？

私も処方されたけど、副作用とか怖くて、塗るのにすごい抵抗があります。

確かにステロイドって怖いイメージがあるし、特に顔に塗るのって嫌だよね。でも、ちゃんと知ることで不安や恐怖を解消できるから、ステロイドについて僕と一緒に見ていこう！

顔に塗っていいステロイドはミディアム（Ⅳ群）まで

早速なんですけど、ステロイドって顔に塗っていいんですか？

ヒトミちゃん、直球だね笑。でも実は、ステロイド外用薬って効果の強さによって、次のように5つのランクに分類されるんだ。

顔に塗っても良いテロイドはミディアム（Ⅳ群）まで。顔の皮膚は他の部位に比べて薄く、薬剤の吸収率が高いから、強いランクのステロイドを顔に長期に使い続けるのは避けるようにしよう。

ストロング（Ⅲ群）以上の比較的強いステロイドが必要な場合は、医師が使用期間について判断するのが一般的です。自己判断で強いステロイドを顔に使い続けてしまうと、さまざまな副作用のリスクが高くなります。

ミディアム（Ⅳ群）より強いものは副作用のリスクが高まるんですね。

そうなんだ！もしそれでも不安なら、弱いステロイドから段階的に上げていくんがおすすめだよ。

デリケートゾーンも顔と同じく使い方に注意する

そういえば、デリケートゾーンにも顔と同じステロイド薬を使ってくださいって言われたんですけど、どうしてですか？

実は、デリケートゾーンは顔と同じ強さのステロイド外用薬が使われてるんだよ。デリケートゾーンの皮膚も顔と同じで薄くて、薬剤の吸収率が高いんだ。十分注意して使おう。

特に効果の強いステロイドは、自己判断で使用しないようにしましょう。炎症を早く抑えたい気持ちは分かりますが、当然ながら副作用のリスクも高くなります。安易に素人判断はせず、医師の指示をしっかりと守るのが非常に重要です。

市販薬で買えるのはステロイドはストロング（Ⅲ群）まで

ストロンゲスト（Ⅰ群）とベリーストロング（Ⅱ群）って見たことないんですけど、どこで売ってるんですか？

鋭いね！実は、ステロイド外用薬は薬の強さによって購入できる場所が違うんだ。薬局などで購入できるのは、次のとおりストロング（Ⅲ群）まで！ストロンゲスト（Ⅰ群）とベリーストロング（Ⅱ群）は、医師に処方してもらおう。

この表を見るとわかる通り、私たちが薬局などで購入できる市販のステロイド外用薬は、「ストロング（Ⅲ群）」までの強さに限られています。それよりも強力な「ベリーストロング（Ⅱ群）」や「ストロンゲスト（Ⅰ群）」のステロイドは、市販されていません。

ベリーストロング（Ⅱ群）以上の強力なステロイドは、重症のアトピー性皮膚炎や、なかなか治らない湿疹など、炎症が特に激しい場合に医師によって処方されます。しかしその分、副作用のリスクも高いため、必ず医師の診断のもとで使用しなければなりません。

市販でも意外と効果の高いステロイドが手に入るんですね。

そうなんだ。ちなみドラッグストアで薬剤師さんに聞くと、どの製品がどのくらいの強さか教えてくれるよ。

顔に身体用のステロイドを塗るのはNG

あと、これすごく大切なんだけど、身体用に処方されたステロイドを、顔に塗るのは絶対にやめよう！体の部位ごとで薬の吸収しやすさが全く異なるからね。

ちなみに、部位による吸収率は次のようになっているよ。腕の内側を「1.0」とした場合、他の部位がどれくらい吸収しやすいかを比較するとこうなるんだ。

参考文献: Feldmann ER et al: J Invest Derm. 48, 181-183, 1967

部位によって吸収率が大きく違うのがわかりますね。

顔の部位である「下顎（あご）」や「前額部（おでこ）」が、体より何倍も高いんですね！

そうなんだ！だからこそ、体用のステロイドを顔に使用しちゃいけないんだ。

身体に塗るためのステロイドを顔に塗ると、薬剤が必要以上に吸収されてしまう可能性があります。結果、副作用のリスクが高くなってしまうのです。

顔にステロイドを塗る際の注意点

話を聞いてたら、なんだかステロイドを顔に使うのが怖くなってきました。

サヤカちゃん安心して！ステロイドを顔に使用する時は、次の3つを意識すれば大丈夫なんだ。

顔の中でも特に敏感な箇所への使用は控えつつ、使用量も最小限に抑えるのがポイントです。それぞれの注意点について、より具体的に解説していきます。

ハマさん！具体的に知りたいです！

よし！じゃあひとつずつ解説していこう！

目の周りには塗らない

まずは、「目の周りには塗らない」。

顔の中でも、特に目の周りの皮膚は非常に薄くてデリケートな部分。ステロイド外用薬の影響を最も受けやすいんだ。だから、医師からの特別な指示がない限り、自己判断で塗らないようにしよう。

目の周りにステロイドを塗布すると、薬の成分が眼球に影響を与え、眼圧を上昇させてしまう可能性があります。眼圧が高い状態が続くと、視神経がダメージを受け、緑内障を発症するリスクが高くなってしまいます。

緑内障は進行すると失明に至る危険性もあります。ただし医師の診断内容によっては、目の周辺に弱めのステロイドを塗るよう指示されたり、ほかの薬剤を処方されたりする場合もあります。

いずれにせよ、目の周りにステロイドを塗りたい場合は、必ず医師による指示を受ける必要があります。

目の周りにステロイドを塗りたいときは、絶対に医師の指示を受ける必要がありますね。

ちなみに、27歳の女性が、アトピー性皮膚炎のため14年間も両目の周りを含む顔面と全身にステロイドの塗り薬を使用していたらしいんだ。

絶対やばい、、、

そしたら、ある日左目が見えにくくなって、眼科を受診したら左目の視神経は緑内障で大きく凹み、見える範囲も鼻側が欠けていたらしんだ。

医師にはステロイド緑内障と診断され、治療を受けたんだけど、結局左目の視界は欠けたままだったんだ、、、。絶対に、医師の指示に従おうね。

ニキビには塗らない

2つ目、「ニキビには塗らない」。

えっ！？私、ニキビに効くと思って塗っちゃってました、、、。

結構効きそうな感じするのに、意外だよね。でも、ステロイドには「免疫抑制作用」という免疫を弱める作用があるんだ。これがニキビの原因の「アクネ菌」を退治するはずの免疫たちを弱めてしまい、逆にニキビが悪化してしまうんだ。

一時的に炎症が引いてニキビが治ったように見えても、根本的な原因であるアクネ菌にアプローチできているわけではありません。時間が経つと再発したり、むしろ悪化したりすることもあります。

ニキビの治療には、ステロイドよりも適した抗菌薬や専用の治療薬もあります。

ちゃんと理解しないと、薬も毒になっちゃうんですね。

かゆみの箇所にピンポイントに塗る

ラストは、「かゆみの箇所にピンポイントで塗る」。

ステロイドは、症状のある部分にピンポイントで塗るのが基本。必要以上に広範囲に塗ったり、症状のない場所に予防的に塗ったりするのは、副作用のリスクを高めるだけだから絶対にやめよう。

症状のない健康な皮膚にまで薬を塗ってしまうと、本来必要のない薬剤が皮膚に吸収され、副作用のリスクを高めてしまいます。また広範囲にわたってステロイドを長期間使用し続けると、全身性の副作用につながる可能性もゼロではありません。

ステロイドは患部にのみ、薄く塗るように心がけましょう。複数の薬を使い分けている場合も、症状の出ていない箇所には使用しないようにしてください。

かゆいところだけを、うす〜く塗る。今日からしっかり意識します！

ステロイド外用薬の主な副作用

ここからは、ステロイドを語る上では絶対に外せない副作用について見ていこう。

二人はステロイドの副作用って聞いて、どんなものをイメージするかな？

うーん、そう言われると具体的には知らないかもですね、、、。

そうだね。私も、正しく使わないと怖い薬ってことは知ってるけど、実際何が怖いのかわかんないかもです。

そうだよね、ステロイドの副作用まではなかなか知らないよね。ステロイドの副作用は本当にいろいろあるんだけど、具体的には次にまとめてみたよ。

ちなみに、この中で「うぶ毛が濃くなる」「ニキビのような発疹ができる」2つがよく見られる症状だね。

上記のような副作用は、ステロイドの使用を中止すれば徐々に元に戻ると考えられています。

ただし、目の周りへの使用による緑内障のリスクや、大量・長期間の使用による全身性の副作用（だるさや顔のむくみなど）が報告されたケースも。全身性の副作用は非常にまれですが、一定のリスクがあることをきちんと覚えておきましょう。

ステロイドを中止すると炎症が再発するのはなぜか

副作用って怖いなって思ったんですけど、でも使い続けないと症状が再発するってネットで見てて、ハマさん本当なんですか？

実は本当なんだ。ステロイドは炎症を強力に抑えてるけど、炎症を引き起こしている原因を治してくれるわけではないんだ。ステロイドを使用しつつ、根本原因も治療することで、ステロイドがから卒業できるよ。

例えばアトピー性皮膚炎の場合、根本的な問題は「皮膚のバリア機能の低下」や「アレルギー体質」です。ステロイドは、そのような原因によって引き起こされた「炎症」という火事を一時的に消火する役割を担っています。

ただし根本の要因を治療しない限り、ステロイドの使用を中断すると再び炎症が起こってしまいます。

また中等度以上の強さのステロイドを長期間使用していた場合、急に中止するとかえって強い炎症反応（強い赤み、ヒリヒリ感、熱感など）が起こってしまうことも。

ステロイドは、お医者さんと相談して、二人三脚で使用していくことが大切なんですね。

そうなんだ！ステロイドは「消防車」みたいなもので、火事は鎮火してくれるけど火事になった原因までは対策してくれないよね。自分の火事の原因もしっかり対策することが大切だよ。

顔にステロイドの副作用が出てしまったときの対処方法

ハマさん！もし、副作用が出てしまったらどうしたらいいんですか？

そういうときは、まずは落ち着いて、次のことを試してみて。

副作用が出てしまったら、まずはステロイドの使用を中断しましょう。さらに肌への余計な刺激を極力減らし、弱ってしまった肌のバリア機能を保湿によってサポートするのが大切です。

ここも大切な内容だから、くわしく解説していくね。

ステロイドを塗るのを中止する

まず1つ目が「ステロイドを塗るのを中止する」

副作用が出た場合は、まずはステロイドの使用を一旦中止しよう。ステロイドによって引き起こされていた症状は、使用をやめれば徐々に落ち着いていくよ。

ただし注意すべきなのは、自己判断で急に使用を中止することのリスクです。特に、ある程度の期間ステロイドを使用し続けていた人は注意が必要。突然ステロイドの使用をやめると、それまで薬によって抑えられていた炎症が、かえって強くぶり返してしまう場合があるためです。

もしステロイドを中止した後により強い症状が見られた場合は、速やかに皮膚科を受診してください。ステロイドのランクを徐々に下げたり、他の薬を用いたりするなど、適切に対処してもらえます。

石鹸を使わず水で洗顔する

2つ目が「石鹸を使わず水で洗顔する」。

顔にステロイドを塗ったとき、副作用が出ているときは、肌がかなり敏感になっている。だから、普通の洗顔料も刺激に感じてしまうんだ。石鹸や洗顔料を使わずに、水かぬるま湯だけステロイドを洗い流そう。

石鹸や多くの洗顔料に含まれる界面活性剤などの洗浄成分は、汚れだけでなく、肌を守るために必要な皮脂まで洗い流してしまう場合もあります。副作用でバリア機能が低下している肌にとっては刺激が強く、赤みやかゆみ、乾燥を悪化させる原因になりかねません。

洗顔する際は、熱いお湯は避け、ぬるま湯でこすらずに優しく洗いましょう。タオルで拭くときも、ゴシゴシこすらず、軽く押さえるように水分を吸い取るのがポイントです。

もし汚れがどうしても気になる場合は、低刺激性の洗顔料を少量だけ使うもありだね。その際もよく泡立て、しっかりすすぐのが大切だよ。

保湿を徹底する

３つ目、「保湿を徹底する」。

ステロイドの副作用が出ている肌は、皮膚が薄くなったり、乾燥しやすくなったりしていて、外部からの刺激を受けやすい状態なんだ。簡単に言うと、肌を守る「バリア機能」が低下した状態になっちゃうんだね。

そして弱ったバリア機能をサポートし、肌の回復を助けるために大切なのが「保湿」なんだ。

確かに！保湿をしただけで、かゆみやカサつきといった不快な症状が和らいだことがあります。

それだけじゃなくて、保湿剤が肌表面に保護膜を作ることで、ホコリや化学物質などの外部刺激から肌を守り、炎症の悪化や再発を予防する効果も期待できるよ。

保湿剤は、低刺激性で、セラミドやヒアルロン酸といった保湿成分が配合されているものを選びましょう。洗顔後や入浴後など、肌が水分を含んでいるうちに、こすらず優しく塗るのが効果的です。乾燥が気になる部分には、重ね塗りも効果的です。

ただし、油分の多い保湿剤がニキビのような症状を悪化させたり、特定の成分が肌に合わなかったりすることもあります。もし異常を感じたら使用を中止し、皮膚科医に相談して自分に合った保湿ケア方法を見つけましょう。

洗浄力の強いシャンプーを使わない

顔のケアに気を使っていても、盲点となりやすいのがシャンプー。髪を洗うためのものですが、すすぐ際にシャンプー剤が顔にかかり、それが刺激となって肌トラブルを引き起こすこともあります。

4つ目が「洗浄力の強いシャンプーを使わない」。

顔なのにシャンプー、、、ですか？

意外だけど、実はすごく関係があるんだよ。。頭を洗ってる時、シャンプー剤が顔にかかって、それが刺激となって肌トラブルを引き起こすんだ。

特に顔の皮膚がステロイドの副作用で敏感になっている場合は、シャンプー選びにも注意が必要です。副作用が出ている期間中は、できるだけ洗浄力が穏やかなシャンプーを選びましょう。また低刺激性・無香料・無着色のシャンプーもおすすめです。

洗髪する際も、シャンプー液が顔に垂れてこないよう、少し上を向くのも良い方法です。そして、最も大切なのはすすぎ。シャンプー成分が顔や髪の生え際に残らないよう、ぬるま湯で時間をかけて丁寧に洗い流すよう心がけてください。

顔の湿疹を予防するにはシャンプー選びも重要

さっき「洗浄力の弱いシャンプーを使わない」って言ってましたけど、じゃあどんなシャンプーを選べばいいんですか？

そうだね、僕がシャンプー選びで気を付けているポイントは次のとおりだよ。

特にアミノ酸系シャンプーは、小さい子どもや赤ちゃんにも使えることが多いから、刺激を避けたい場合におすすめだよ

また「すすぎ残し」にも注意が必要です。シャンプー成分が顔の皮膚に残ってしまうと、そのまま皮膚にダメージが蓄積されてしまいます。さらに頭皮自体に合わないシャンプーを使って頭皮環境が悪化すると、その影響が顔付近に及ぶことも考えられます。

顔や頭皮のトラブル防止には「KADASON」がおすすめ

ハマさんは、シャンプーは実際に何を使ってるですか？

僕は普段は「KADASON」を使ってるよ！

毎日使うものだからこそ、シャンプーが肌に与える影響は無視できません。特に、ステロイドでの治療や副作用によって肌が敏感になっている場合、シャンプーを見直すことが症状改善のきっかけになることもあります。

「でも、どんなシャンプーを選べばいいの？」

「低刺激なシャンプーは色々あるけど、どれが自分に合っているか分からない……。」

そうお悩みの人に、顔や頭皮のトラブルに悩む方のために開発された「KADASON SCALP SHAMPOOカダソン薬用スカルプシャンプー」をおすすめします。

「KADASON 薬用スカルプシャンプー」は、フケやかゆみの原因菌（マラセチア菌）の増殖を抑える有効成分「サリチル酸」と、炎症を抑える有効成分「グリチルリチン酸2K」を配合した薬用シャンプーです。

単に低刺激なだけでなく、頭皮や肌の環境を健やかに整えるのを目的に開発されました。

KADASONは次のような特徴があるんだ。

スキンケアを見直してもなかなか顔の皮膚トラブルが改善しない場合は、一度シャンプーを変えてみるのも有効なアプローチかもしれません。KADASONは男女問わず、そしてお子様にもお使いいただけます。

繰り返す顔や頭皮のトラブルにお悩みなら、毎日のシャンプーから見直してみましょう。

まとめ

ステロイドは効果が強い分、副作用のリスクもあるから、自分の判断だけで過度に強いステロイドは使用しないことが大切なんですよね

だけど、ステロイドは使用するのが危険なけではなくて、いくつかのポイントに気をつけつつ正しく使用すれば、ステロイドによるリスクも軽減できるんでしたよね。

それに、ステロイドの使用方法だけでなく、シャンプーの選び方やケア方法も大切。特に「シャンプー選び」は、顔の皮膚トラブルにおいて見落としがち。成分や刺激の強さにこだわった薬用シャンプーを使ってみれば、症状も改善されるかもしれないね。